まずはレイアウト ① 余白
余白の使い方って、意外に難しい。
なんとなく個々人の感覚によるところが大きいと感じます。
余白を使うということは、一体どういうことなのか。
自分なりに整理をしてみると、
- 余白は引き算の結果である
- 余白はまとまりを作る
- 余白はコントラストを生み出す
ということ。
1.余白は引き算の結果である
まず伝えたい文章や数字情報、図・写真などを掲載するに際し、キャンバスとなる紙面やスライドにどこに置くかを大まかに設定した上で、伝えるべきもの以外の不純物を取り除いていきます。
不純物とは具体的には、表における枠や、グラフにおける罫線や凡例、フォントの字の太さ、写真の必要な被写体以外のもの、など。
伝えるにあたり、不純物と思われるものと極限まで排除していくことで、沢山の余白を作るとことが大切です。
目に入る情報量を抑えることで、伝える相手に必要以上の負担を与えないことです。
プレゼンテーションにおいては、1枚に対し1つのメッセージであることが望ましいとされています。
主張すべきことを1つに絞り、それに付随する情報の範囲で限定的に整理するということでしょう。
究極的には、説得力を持って伝わるのであれば、メッセージ文を1文のみ掲載しても良いわけです。
どうしても詰め込みがちですよね。
2.余白はまとまりを作る
よく言われる「ゲシュタルト効果」というやつです。
これは無意識のうちに、人は近接するものをまとまりとして認識するという心理現象です。
したがって、余白はまとまりを分ける役割となります。
情報の近接化は、伝えたいもののグルーピングを考えた上で行います。
ただし、近接させすぎもダメです。つめ過ぎは圧迫感を生み出し、視線が近寄らないという問題を起こします。
文章などの場合、行と行の間は文字の大きさの0.5〜0.75倍の余白を持たせると読みやすくなるということです。
これ以上開けると、グループとして認識されなくなる恐れがあります。
3.余白はコントラストを生み出す
「密」の部分と「疎」の部分とのバランスで、コントラスト(対比)を生み出すことができます。
最も伝えたいメッセージは、余白の多い「疎」の部分に置き、際立たせます。
文字や図表などの大きさに差をつけ、視線を「密」より先に「疎」に向かわせるのも重要です。
ここでは「ジャンプ率」が関わってきます。
「疎」にジャンプ率の高い文字や図表などを置くと、真っ先にそこに目がいきます。
情報を一瞬で理解してもらう方法として有効です。
どの場所に「密」と「疎」の部分を作るかは、いくらでもパターンがあるはずです。
ただし、置き方によって人の感じ方に差が出るでしょう。
この辺りは「配置」に関係する内容ですが、もう少し勉強が必要です。
以上、余白に関する3つのポイントを整理しました。
「余白=空」の存在とは、とても奥が深いものです。般若心経の世界にもつながりますね。